継続は力なりと思う看護師の日記

思えば長く続けている看護師というお仕事、研究、そのほかについて書こうと思います

クレーム対応 担当看護師の交代を希望されたら

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先日、クレーム対応の研修会が院内でありました

外部講師の方が来ていたので、資料や映像が用意されていて、わかりやすくて聞きやすい研修でした

 

その中に出された、これは事実を基にした事例です、と断り書きがあった事例なのですが、あれ?これでいいの?と思うものがありました

 

それは

「患者さんから担当の看護師を変えてほしい、と、第三者の自分に依頼があった場合」

というものです

 

場面設定としては、担当でない看護師がその日の夜勤で、ある患者に対応したときに、

「自分の担当の看護師は愛想もないし、何か言っても上から目線で否定する。

自分の辛さを解ろうとしなくて嫌になる。担当を変えてほしい」

と言ってきた、というものです

 

再現ドラマがあって、1つの例として、その患者さんが、

「夜眠れなくて困る、睡眠薬でも出してもらえないか」

と担当看護師に言うと、

担当看護師は

「〇〇さんは昼間も寝ているのですから夜寝られなくてあたりまえです

昼間は起きているようにしてください」

とニコリともしないで患者さんに告げる、というものです

 

確かに愛想も全くなく、一方的な説明でした

 

それに対して、それを聞いた看護師の取った方法は、師長に相談すると告げ口だと思われるので、少し年上の先輩看護師に相談し、その看護師さんが、

「この問題は、その看護師一人の問題じゃないから、これからは病棟の看護師全員でその患者さんに関わるようにしましょう、病棟のみんなにそう伝えるわ!」

 

という解決法に至りました

 

え?

おかしくない?

 

患者さんが、「担当看護師だけしか関わって来ない」

とか

「担当看護師以外の看護師に何を質問しても答えられない」

というようなクレームなら、その解決法で良いと思うのですが、問題にしているのは、看護師の接遇であり、精神的看護ではないの?と思ってしまいました

 

その看護師の愛想のなさが患者さんを不愉快にさせているなら、その態度は改めねばなりません

そのためには、その本人の態度で患者さんが不愉快な思いをすることがあるのだ、と、本人に伝える必要があります

本人は「きちんと処置や看護ができれば、必要以上に愛想をふりまく必要はない」と思っているかもしれません

 

必要以上、というラインは人によって違うものですし、求める側と行う側のラインが同じとは限りません

 

元々愛想の良い人ばかりが看護師になったわけではありません

それはよくわかるのです

 

でも、患者さんやそのご家族が、そうでなくても忙しそうにバタバタしている看護師に、「看護師さん」と呼び掛けて、「はい」と答えるときに笑顔かどうか、というのって、全然受ける印象が違うと思うのです

 

先ほどの事例では、ニコリともしない対応が不愉快だ、というクレームがあったのですから、それについては謝らなくてはいけないのだと思います

 

「笑顔で対応するのが苦手で、気をつけてはいますけれど、なかなかできないんです、すみません」

と、一言伝えるだけでも、患者さんの気持ちはかなり変わると思います

また、師長に言うと告げ口になる、と考えて先輩に相談していますが、その後は先輩ナースが師長に報告しなくてはならず、なぜなら、師長はその看護師がその後はうまく対応ができているか確認し、フォローしていくのも仕事のひとつだからです

 

場合によっては、師長が、「教育が行き届かずにすみません、これからも気を付けていきます」と患者さんに伝えれば、なお患者さんとしては不満の落としどころが出来る可能性があります

 

私の病院でも、「愛想の悪い看護師」のクレームはしばしば入ります

看護師のトップの方々から

「接遇には気を付けましょう、笑顔を大切にしましょう」

という訓示があったり、各部署に啓発ポスターが貼らたりします

 

「愛想の悪い看護師」なんて、自分で宣伝しているくらい誰が見たってわかることなんだから、直接トップの方々が注意すればいいんじゃないの?

と思いますが、今の時代、すぐにパワハラ騒ぎになるので、なかなかできないって言ってます

 

パワハラ騒ぎより、クレーム騒ぎのほうが、現場としてはずーっと大変なんですけど・・・と私は思うのです