継続は力なりと思う看護師の日記

思えば長く続けている看護師というお仕事、研究、そのほかについて書こうと思います

院内研究発表で感じたこと~気を付けてほしい4つの点

         

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先月、院内の看護研究発表会が終了しました。

 

どの部署も、発表の形にまでまとめることができて一安心です。

若い看護師さんたちが休みの日も集まって文章をまとめたり、夜勤の空き時間に資料を作ったり、途中で投げ出さずに頑張った姿は感涙ものです。

どのグループもテーマ選定に迷い、研究方法で悩み、慣れない文章を書くという仕事で苦しんだ過程を知ってるだけに、よく頑張ったなぁと心から思います。

 

ですが、研究に興味を持って自分たちで積極的に発表をしている看護師たちは、意地悪だったりするんですよねぇ。

 

「きちんと指導を受けようとする姿勢がないから、今回の発表はレベルが低い」というようなことを遠回しに言ったりします。

 

もう、びっくりします。

じゃあアナタは初めての研究のときでも、すっごいモノが出来てたんですか?ってかんじです。

 

若い頃の何もできなかった時の自分って、年をとると忘れてしまうもんなんですね。

仕事にしても、「退院支援ができない」「他職種との連携ができない」と若い看護師さんに対して厳しいことを言うスタッフがいますが、こういうのは経験を積んで学んでいくものですから、反対に若い看護師がベテランと同様にできるようなら、ベテランの価値は何なの?と思います。

 

さて、研究を論文としてまとめて、次は発表、なのですが、論文の出来はおいといて、発表の上手い、下手、という差は初心者の場合、大きくあります。

論文はていねいにきちんと出来ているグループなのに、発表会だけ見ると、いまひとつだったグループのほうが評価が高い、ということはよくあります。

 

院内発表の場合、パワポを使って行うことがほとんどだと思うのですが、その見やすさと発表者の発表の仕方が大切だと感じます。

 

問題1:パワポに文字・資料を詰め込みすぎる

これ、多いです。

タイトルのフォントは〇ポイント、本文は〇ポイント以上でとわかってはいるけど、言いたいことがたくさんあるから詰め込む。

 

特に、研究背景や研究課題の説明のときに、この傾向があるようです。

 

計画書を書くときや論文を書くときに、「はじめに」は、きちんと読み手に研究の価値や研究課題、どこまでが明らかになっているのかをわかるように、と何度も書き直しの指導をうけ、推敲を重ね、先行研究を調べた部分なので、人にも伝えたい思いが強いのかもしれません。

それは研究を始めるにあたって必要な部分ですから、実際の研究としてはサラっと流していいところだったします。

 

問題2:イラスト、写真、アニメーションの使い過ぎ

研究者の好き嫌いの分かれるところですが、私自身は、結果や考察のところでアニメーションを使われるのは好きではありません。

スライド1枚に最初から全部書いてもらったほうが読みやすいです。

よほど完成度が高くないとアニメーションは見にくくなりますし、アニメーションを出すタイミングがずれたり、必要以外で使われていると、何やってんだか・・・と思ってしまいます。

 

看護師のイラストとか、花の写真とか、スライドにいれてくるのも訳がわかりません。院内研修会とかで、楽しい研修資料を作るのと混同してるのかな、と感じますが、これはポスター発表のときにさらに顕著です。

こんなものですね↓

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研究背景、研究課題の説明の部分は、発表の導入部分で興味を持ってもらうところですから、イラストとかアニメーションとか、図とか使ってカラフルにしても良いところだとは思います。(それにしても上記画像は論外です)

実際、外部からくる指導者の中には

「はじめに、のところが文字ばっかりで見にくい」

と指摘される人もいました。

けれども、パワポ作りに慣れていない看護師さんは、いかに綺麗にスライドを仕上げるか、よりも、見やすく、発表しやすいスライドを目指したほうが良いです。

 

問題3:発表のための練習不足

発表原稿を作り、それを読む練習はしているけれど、実際にスライドに合わせて練習をする時間をじゅうぶんにとっていないようです。

時間の指定を守るために、ものすごい早口で読み上げる人もいます。

 

発表原稿というのは、基本的に不要です。

スライドを示しながら、その説明スライドの説明をしていくことが発表です。

けれども、初めてで緊張するので、皆さん発表原稿を作ってそれを読み上げていきます。

最初はそれでも良いと思うのですが、原稿を抑揚もなく、間もとらず、ただ読み上げていくのは聞いてて全くおもしろくないです。

その原稿を出席者の配布すればいいんじゃないの?と思います。

 

原稿を読んでも良いけれども、あくまでも、スライドを説明するため、スライドの補足説明です

ですから、スライドにないことを長々としゃべるのもどうかと思うし、スライドの上から下に向かって順に話さないと、見ている人はどこを説明しているかわからなくなり、スムーズに頭に入ってきません。

スライドを動かしながら10回練習すると原稿なしで発表できる、と指導者に言われたことがあるので、私はそうするようにしてます。

 

問題4:「お手元の資料をご参照ください」「時間の関係で割愛します」

パワポを使う発表では室内が暗いです。

発表途中でどうやって配布資料のその資料を見つけて読むの?っていうことが、けっこう全国の学会でもされてたりします。

その資料がその後の発表内容に関わることなら、必要なところだけでもスライドにのせなくてはいけないです。

スライドをたくさん作って、説明する時間がないから、飛ばして、「時間の関係で~」と言う人がいますが、最初から飛ばしても発表に問題ないなら作らなければいいです。

特に倫理的配慮のスライドが、こういう扱いになることが目立ちますが、全部読み上げなくても、大切なところを読むとしたら、15秒くらいしかかからないはずです。

 

以上、ここ何回かの院内研究発表で感じた、気を付けてほしい点を書いてみました。