看護研究指導 ポスター作製も楽じゃない
看護研究をするにあたって、一番問題となるのは、日本語の能力とパソコンの技能ではないかと思う今日この頃・・・
両方得意だと研究が成功するか、と言ったらそんなことはないのですが、両方不得意だと、指導する側とすると、ものすごく面倒です
看護師さんは、わりとPC、不得意という人が多いのではないでしょうか
最近の若者は、スマホのスペックが私達の若い頃のPC並みにあるので、PCをあまり触らない、とも言われています
でも、研究グループに若者がいる場合は、けっこうサクサクと表を作成し、ポスターも作成します
わからなくても、わからない所を要領よく聞いてくるので、一度説明すると修正することが出来ます
昨年度担当したグループの中に、全員PCが全くダメ、というグループがありました
電子カルテだって、人差し指1本で入力します、ってほどです
ちょうどその部署で、研究を最近やってない人を集めたら、30歳代1人、50歳代が2人、という3人グループになってしまったのです
30歳代の看護師さんが主研究者となり、研究は進んでいたのですが、大人しい人なので、完全に50歳代の看護師さんの勢いに負けてしまいました
30歳代の看護師さんは、お仕事の出来る、真面目な人だったし、これからも研究をする機会があるので、その人にやり方も覚えて行ってほしかったのですが、50歳代の一人の看護師さんが、とにかく張り切ってしまったのです
仕事で、スタッフが使えるかどうかの分類として、以下の順序がありますよね
・やる気があって能力のある人
・やる気はないけど能力のある人
・やる気も能力もない人
・やる気はあって能力のない人
研究も同じです。メンバーの中にやる気のある能力のない人がいるととても大変
30歳代の看護師さんは仕事も出来て、黙々とお仕事されるので、常に仕事が忙しいし、50歳代の人を押しのけてまで研究を進めることができません
50歳代の人は、やる気満々なので、仕事を人に押し付けてでも研究に没頭します
そして一人で書き上げた、「これは苦労話か?感想文か?チラシの裏に書いておけ」状態のものをせっせと私に持って来ます
・必ずグループで内容の確認をし合ってから私のところに持って来てほしいこと
・主研究者を中心に進めること
を、その都度説明しました
結局、その看護師さんがどうあってもスタンドプレーで感想文を書き続けるので、どうしようもなく、グループでまとめたものは主研究者と私が一緒に修正していく、という形をとって、定期的に時間をとって書いていくことにしました
50歳代の看護師さんは、だったら文章の入力、表の作成は自分が担当するので任せて!と、また恐ろしいことを言い出したのですが、そうなるともう、彼女とマンツーマンのパソコン教室状態です
しょっちゅう私のところにやって来ては、「文頭がそろわない」「行間を広くしたい」「ここに線を引きたい」「表はこの本に載っているように作りたい」などなど、ググる、ということをいくら説明してもできません
仕事中に電話がかかってきて、「ファイルって何ですか」「テキストって何ですか」「ふきだしってなんですか」と、多分、知らない世界が広がって楽しそうではあるのですが、町のPC教室に行って、お願い、PCで調べることを覚えて、お願い、と心から思っていました
そんなこんなで、論文としては仕上がり、昨年のうちに院内の発表は無事終えて、院外の発表の時の話です
また、この50歳代看護師さんが、発表は30歳代看護師さんがしてくれて、発表原稿も書いてくれるから、私がポスターを作ります、と言い出しました
いいかげん、私も面倒になっていたので、30歳代看護師さんに作り方も教えたいので、あなたは何もしないように、と伝えていたのですが、案の定、イラスト満載のパワーポイント50枚分くらいの壮大なポスター(?)を作ってきて、見てほしい、と持って来ました
それは無視して、主研究者さんには表作製ソフトを使ってポスターの作り方を教えていたのですが、なんと、50歳代看護師さんは、事務職員にやり方をひとつひとつ教えてもらいながらポスターを作ってきたのです
もう、なんというか、もう、ところ狭しとイラストが並んでいます
こういうヤツですね
もう、無関係に、ひたすら、並べる
中にはSAMPLEという文字が浮かんでいるのもあります
なぜ、救急車・・・?
なぜ、医者のイラスト?なぜ花?
なぜ、ここが赤字になっている?なぜここのフォントを変えた?
もう、それを基に後は私が修正しておく、とかできるものではありませんでした
それで
・イラストは一度すべて削除する
・とにかく読みやすく仕上げる
・字を詰め込まない
と伝え、ポイント数を細かく指定し、枠組みを作ってそれを基に作り直してもらいました
修正は5回くらいはしてもらったのですが、それでも、やはり、随所に歪みや不統一なところなど雑さが目立ち、実際使用できるものには仕上がらなかったので、お断りをしたうえで、主研究者と大幅に修正をして仕上げました
その結果、自分の作ったポスターが書き換えられた、元のカラフルなポスターを使いたかったというのでかなり怒っておられ、一時は挨拶もしてもらえませんでした
そのバイタリティとやる気があれば、ぜひパソコン教室に通って、スキルを高めることを期待したいです
人に教えるって、本当に大変なんですよ・・・