継続は力なりと思う看護師の日記

思えば長く続けている看護師というお仕事、研究、そのほかについて書こうと思います

視点で違う 良い看護師・悪い看護師①

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看護学校の学生だった頃、実習先のとある病棟の師長さんはとても人気があった

病室の患者さんのところを回っては、重症の患者さんの手を握りしめ、大変ですね、頑張ってください、と言って一緒に泣くのだ

患者さんからは慕われ、これぞ、現代のナイチンゲール、私もあんな看護師になりたい、と憧れる学生がたくさんいた

 

けれども、就職するとその評価は一変する

病棟の看護師たちは

「この忙しいのに患者さんの手ばかり握ってないで、ナースコールのひとつもとってよ!」

「患者のところで泣くヒマがあったら、ナースセンターで電話番でもしててよ!」

というのです

なんということでしょう・・・( ゚Д゚)

でも、気持ちは痛いほどわかります

患者さんの手を握るよりも、配膳を手伝ってくれるほうがよっぽど助かるんです

 

同僚の山田君は女性患者からの絶大な人気があります

とにかく優しい

苦情と要求が過剰な、いわゆるモンスターペイシェントに対して、看護師で対応を統一しよう、〇〇という要求や△△という要求に対しては出来ない、と断ろうとカンファレンスで決めたとします

山田君はそんなこと守れません

「だって、やってほしいって言うんだもん」と言って要求に応えます

 

山田君がその要求に対応している時間は他の看護師が多忙となり、また、「山田君はやってくれるのにどうしてあなたはしてくれないのか」という怒りが他の看護師に向けられ、たまったもんではありません

 

それでも、私達は「もし自分が入院した時には絶対担当は山田君がいいよね、何でもやってくれるもんね」と、患者側視点としたら高評価です

 

まだ病棟勤務していたある日、頻回な下痢の続く高齢の方が入院されました

体力が低下し、オムツを着用していました

ちょっとでも便が出るとナースコールでパットの交換を依頼されます

気持ち悪さ、わかります

わかりますが、1時間に10回をこえるナースコールが延々と続くと、他の仕事が滞ります

何度も業務が中断され、仕事は積まれていく、今日も残業だ・・・

となった時に、同僚の看護師と話しをしていたのですが

私達が笑顔の下で舌打ちをしていくことなんて、患者さんは思わないよね

またか・・・って大きなため息をつきながら訪室してるなんて思わないよね

じゃあ、この病院の中でこのケースで、舌打ちもため息もつかず、心から大変ですねって思っている看護師は誰か、という話題になりました

 

残念ながら自分たちの病棟の看護師の中にはいないという結論

他の病棟も探して・・・あ、あの病棟のA子さんなら、どうですか

と名前がでて、それには満場一致でみんな納得

A子さんは優しいもんね

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A子さん、優しくて仕事もていねい

そのぶん、仕事が遅いです

自分でも超勤女王と言ってますが、とにかく定時に終わることは絶対にない

だから、同じチームになると、自分が手伝うことはあっても手伝ってもらうことは期待できません

「一緒に処置するほうが患者さんは楽だから、一緒に行ってくれる?」と頼まれることもしばしばです

そして巻き込まれて残業(*_*)

 

立場によって、視点によって、良い看護師と悪い看護師は変わるなぁと思います