継続は力なりと思う看護師の日記

思えば長く続けている看護師というお仕事、研究、そのほかについて書こうと思います

みをつくし料理帖1~10読了 夢中で読んだ!

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久しぶりに面白くて読むのが止まらない、という本に出会いました

みをつくし料理帖」シリーズ、著者:高田郁さん、ハルキ文庫

 

家に本が増えるのが嫌で、最初は図書館で借りて、何度も読みたくなる本だ、と思ったら購入する、というのがいつものパターンなのですが、これは本屋さんに平積みされていて、なんだか気になって衝動買いした一冊です

 

でも、運命の出会い!

 

あらすじとしては、

1802年(享和2年)、大坂・淀川の水害で両親を亡くし、幼なじみの野江とも生き別れ、一人ぼっちになった8歳の澪(みお)は、たまたま出会った料理屋・天満一兆庵の女将・芳(よし)に助けられ、女料理人として修業をはじめた。板場がまだ女人禁制の時代に、天性の味覚を見込まれたのだ。
しかし、天満一兆庵が火事で焼失してしまい、澪と芳は主人の嘉兵衛とともに江戸へ出立。不思議な縁で、蕎麦屋「つる家」の主人・種市から店で働かないかと誘われる。
上方と江戸の味付けの違いに戸惑い、ライバル店の激しい妨害に遭い、武士・小松原との身分違いの恋に悩みながらも、澪は一人前の女料理人としての道を懸命に貫いていく。

というもので

元々時代ものは好きで、隆慶一郎さんとか、司馬遼太郎なども楽しく読むし、昨年は鬼平犯科帳にはまったし、というかんじですが、高田さんの本はこれとはまた違う、優しくて、心が洗われる、という印象の物語でした

 

書評を読むと、筋がありきたり、とか、先の展開が見える、とか、もっと内容を深くしろとかマイナス評価もあるのですが、この本を好きになる人はそんなの求めてないよなぁと思いました

 

人間がその人に許された環境の中で幸せを求めていく物語で、人間なんて、誰もが一瞬先はわからなくて、自然の力の中では無力だけれど、自分の努力でつかめる幸せを求めて生きる姿が美しいです

 

いつもなら、登場人物がみんな良い人ってありえない、とか、こんな良い人たちに比べてなんて自分は荒んでしまったことだ、とか思ってしまうのですが、そう思わせずに、登場人物を暖かく見ることができるのは、作者の力量かもしれません

 

本を読みながらもらい泣き、うれし泣き、でたびたび涙腺崩壊してましたが、泣くとストレス解消に役立つと言われているとおり、読後がスッキリな気持ちになりました

 

これはドラマ化されていて、主人公澪は北川景子さん、その片思いの相手にTOKIOの松岡さんだったらしいですが、それはないですねぇ

しかも、絶世の美女の花魁役より主人公のほうが美人とか、設定がもうおかしい

 

今年の5月からNHKで、黒木華さん主演で再ドラマ化されるようで、これは黒木さんのハマリ役かもしれません。良い女優さんだし楽しみです。

 

それにしても、みをつくしシリーズ全10巻、既刊で良かったです

新刊待ちとか、気になって仕方ないです

 

朝5時まで翌日の寝不足覚悟で読んだのは久しぶりです

 

まだまだ出会っていない素晴らしい本にこれからも出会えるかと思うと、わくわくします

 

 

 

 

八朔の雪―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-1 時代小説文庫)

八朔の雪―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-1 時代小説文庫)

 

 

高田郁さんのすごいところは、主要キャラを惜しげもなく死なせたり、途中で出さなくなったり、貧乏にしたりできるところだと思います

 

エンディングは、あ、この終わり方があったか、とは思うけど、うーん、アリだけど、もう少し、水戸黄門的に予想通り、というのでまとめてほしかったなぁ・・・