周りにうつ病の休職、増えました
「うつ病で医療機関を受診している患者数」は、1984年には11.0万人
1999年には33.5万人に、2011年には70.1万人に増えています。27年間で6.4倍です。
この数は厚生省の発表ですが、うつ病、というより、正しくはうつ病という病名で医療機関に受診している人の数になります
厚生省HPのコメントに、うつ病は検査などでわかるものではないので、診断基準に沿って診断されているが、その基準が時代によって変わるので、患者数の推移には注意が必要と書いてありました
言外に何かありそうなので、調べてみました
1980年にアメリカの精神医学会で
「病気の原因や経過ではなく、現れている症状に着目して診断する方法」を取るようになりました。
代表的な症状のうち、いくつか以上が認められれば、ある疾患と診断するものです。
そして、1994年には、非定型うつ病がうつ病に含まれるようになりました。
非定型うつ病とは、「楽しいことがあると気分が良くなる」「拒絶されることや批判されることに過剰に反応する」などの特徴を持つ、いわゆる「新型うつ」です
すなわち、うつ病と診断される範囲が広がり、軽いうつや、それまでは、ただ「遊びに行けるなら大丈夫」「気分が落ち込んでいるので、ストレスをさけて休んでください」程度で、うつ病という病名のつかなかった人たちが、うつ病と診断されるようになったのです
1990年頃、保険病名をつける時に、アメリカ精神医学会で使用している基準の影響があり、それまで日本では、ヨーロッパで主流であった「症状が発生した原因や経緯に着目する」という診断方法を、アメリカで主流の「現れている症状に着目する」診断方法に変更したことも、うつ病と病名をつけることに影響したと考えられます
少し古いですが、1996から2008までの12年間で精神科が1.6倍、心療内科が5.6倍に増えているので、それだけ需要があるということだと思います
実際、周辺には、新しい精神科系のクリニックがありますし、新しくできる精神科のクリニックは、「心療内科」「メンタルクリニック」「睡眠障害外来」などいろいろな名前を付けて、受診のハードルを下げています
人気のある精神科クリニックでは、初診の場合、1か月待ちから3か月待ちというところも少なくないようです
あと、あくまでの個人的な感想なのですが、精神科の若い先生はの場合、初診であっても、「仕事が辛くて、起きられない」「仕事のことを考えると頭痛と吐き気がする」というような理由で受診した場合、すぐに診断書を書いて、仕事を休むように勧めるようです
お年寄りの先生だと、「まぁ、不安をとるお薬出すから飲んでみて。仕事は無理しない程度にね」というかんじで、切迫感がない場合は即休職、にはならず、それで1週間様子みてね、また、考えようってかんじになるように思います
職場では、うつで休職するのは、20歳代、30歳代の看護師が多く、非定型が多いように感じます
なぜなら、友人との飲み会旅行、趣味の集まりには参加し、それをツイッターやインスタグラムにあげているからです
看護師という職業はもともとバーンアウトしやすいことでも有名ですし、ストレスの多い職場としても上位にあがります
本来なら1か月程度の休暇を取りながら、ストレスを解消し、リフレッシュして働くことが理想なのかもしれません