継続は力なりと思う看護師の日記

思えば長く続けている看護師というお仕事、研究、そのほかについて書こうと思います

息子がうつになりまして⑥ 猫セラピー

私は動物が好きなので、年をとって施設に入ることがあれば、その施設に猫や犬がいればいいなぁと思います

 

さて、うつ状態で休職中の息子が、実家に帰って来て3週間が過ぎました

 

うつうつとして、ぼーっとしていたときに、猫の存在は大きいなぁと思いました

息子が猫好き、というのも大きいのですけれど

猫に遊んでもらって、猫に癒してもらってます

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猫も飽きると無視ですが・・・

 

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猫って、存在自体が癒しですが、

その時のことだけを考える、とか

先々の考えても仕方ないことを考えて思い悩まない、とか

したいことを優先させる、とか

余計なことを考えない、とか

 

自分がいろんなことを考えすぎて動けないときには

お手本になるような生き方だなぁと思います

 

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うちの猫はサビ猫で、ちまたでは、ゴミのような模様とか、全然きれいじゃなくて人気がないとか言われていますが、本当に美人さんだなぁと思います

 

そして、サビ猫は人懐こくて温和で、最初に飼うならサビ猫が良いと言われるような猫だそうです

 

少々見た目がアレでも、やっぱり性格が良くて、気立ての良いのが一緒に暮らすには一番良いというのも教えてくれるような猫です

 

3月のライオン」という漫画の中に、いじめにあって登校できなくなった中学生の女の子が、学校に通うためのリハビリの中で

まず動物の友達を作ること、

次に年上(社会人や高齢者)の友達を作ること

そのあとに、同年代の友達を作る、という方法が書いてありました

 

動物は、意地悪をしない、ということだろうなと思いました

犬や馬だと、世話をしたり、遊んだり、相手の嫌がることをしない限り、こちらの愛情に応えてくれる、というのも大きいのでしょう

 

うちのサビ猫は、初対面の人でも全然平気で、相手がフレンドリーだと、撫でられたり、膝に乗ったりもします

 

猫セラピー、良いと思います

もっと長引けば、あらたに犬を飼って、犬セラピーも良いと思います

 

高齢者の高額療養費制度負担増加を考える

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日本は、他の国に先駆けて、急激に高齢化しています

医療、看護、介護では、2025年には、団塊世代が75歳以上の後期高齢者になるという、「2025年問題」について、ずいぶん前から話題となっています

 

高齢化が進むことによって、医療費などの社会保障費が増大し続け、日本の財政を圧迫していますが、これは皆保険であること、医療費の補助等が確立されている国だからです

素晴らしいことなのですが、その素晴らしさゆえに、財政が圧迫されています

 

高齢化がどれくらいすごいかと言うと、

1950年には、1人の高齢者を12.1人の現役世代(15~64歳)が支えていました

2012年には、1人の高齢者を2.6人の現役世代が、

2060年には、1人の高齢者を1.3人の現役世代が支える予測になっています

 

年金制度の破たんが言われてから長いですが、医療制度の現行維持なんて、絶対できそうにありません

 

2016年度当初予算では、社会保障費が約32兆円で3分の1を占め、1990年と比べると約3倍にも膨らんだ。社会保障費が毎年1兆円規模で増加している中、社会保険料収入は横ばいで推移しているため、その多くは税金と借金で賄われている。(東洋経済on line 2017.2.16)

 

社会保険料の収入が増えないのは、少子化問題も関係するでしょうし、正規雇用ではなく、非正規雇用、フリーターが増えたことも関係あるのでしょうか

少子高齢化は今後も進むでしょうし、人口減にもなっていきます

 

医療費の年齢別での負担では、70歳以降に生涯の医療費の約半分がかかり、75~79歳でピークを迎えるそうです

 

そこで、今年夏から変わるのが、まず高齢者の高額療養費制度の増額です

 

高額療養費の負担限度額とは、医療費が多くかかった時に、患者の本人負担に毎月の限度額を設定している仕組みです

複数の疾患を持ち、医療費がかかりがちな70歳以上の高齢者には、所得に応じて、外来費や入院費で限度額が設定されています

 

今年から、70歳以上の現役並み所得者(年収370万円以上)は、外来費の負担限度額について、現在の月4万4400円が月5万7600円に上がり、2018年8月には月8万円以上へと引き上げられます

住民税非課税の低所得者(年収156万円未満)は、負担増がなく維持されるそうです

 

支払う保険料に関しても変更があり、75歳以上の後期高齢者医療保険の保険料に関しても、負担を軽減している特例が変更されます

年収153万~211万円で一定の所得のある人向けには、現在の5割軽減から、2017年には2割軽減、2018年には軽減措置自体がなくなる予定です

 

私は、70歳以上の現役並み所得者(年収370万円以上)の負担増については、当然だと思っています

年収370万円を稼げない若者なんて、今の時代、たくさんいると思います

その反面、高齢化が進み、元気な高齢者が増え、仕事を継続できている方も多いのですから、やっぱり払っていただかなくてはいけないでしょう

国会議員、地方議員なんて、70歳以上がゴロゴロいて、稼いでいるんですから、ものすごくいっぱい徴収していただきたいくらいです

 

そして、整形外科や内科のクリニックが高齢者のサロンとなっている、と言われ続けていますが、過剰な医療、過剰な検査に対しての引き締めは、どんどん国にやっていただきたいことです

 

2016年2月のニュースで、

高額療養費の見直しを巡っては、公明党が来年夏の東京都議選への影響を懸念し、一般所得者の負担増に反発。調整が難航した。

 

という記事がありました

 

政治家というのは当然のことながら自分を支持し、投票してくれる層を重視します

2012年の調査では、有権者の割合は、20歳から49歳で49%、その年代の投票率は42%だそうです

投票者の平均年齢は50歳代後半と言われてますから、どうしても支持層を考慮し、高齢者に温かい政策をとろうとする政治家が選ばれてしまいそうです

 

後回し、後回しできた年金制度ですが、高額療養費制度も破たんする前に、早い段階でどんどん改正してほしいと思います

 

 

 

 

 

 

体の老いと看護師業

                                          

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老化の自覚って、何歳くらいからするものなのでしょうか

 

私は32歳から33歳がターニングポイントでした

もう、その1~2年での記憶力の低下は恐ろしいものがありました

 

32歳の頃ですが、いつもなら絶対に忘れない業務が抜けてしまったことがあります

なぜ抜けたかわからず、軽いパニックでした

その時には疲れてるのかな、と思ったのですが、完全に忘れるとまではいかなくても、途中で忘れそうになっててハッと気づいたり、あれ?と思うけど思い出せない、ということがたびたびおこるようになりました

 

わからないことは、メモをする、忘れそうなことはメモをするこれは看護師なら誰もが新人の頃からすることですが、これは、わからないこと、忘れそうなことに対して行うことです

 

が、とにかく忘れる、思い出せない、が、たびたびあるうえに頻度も増える一方で減ることがありません

もう、何だってメモです

測定してもメモ、伝言もメモ、薬の名前もメモ、やるべきこともメモです

周囲からはメモ魔と呆れられるほどメモしはじめました

 

32歳、33歳とその状態が続いた時に、やっと、これは加齢によるものなんだ、と気が付きました

薄々、年のせい?と思ってましたが、まさかね、まだ32歳だし・・・と思っていたけど、不可逆、進行性、これは老化現象!!

 

それを認めたころから、本当に坂道を転がっていくように記憶力が低下し続けて、現在進行形でもあります

 

例えば、それまで、メモができない時には手首に輪ゴムをしたり、白衣のポケットにクリップを止めて、

「薬剤師に内服薬の確認を後でしないといけないけど、忘れたらいけないからコレを見たら思い出そう」

なんてこともしてたのです

 

けれども、ある日、その輪ゴムに気づかない、というか見てなくて、というか、輪ゴムと内服薬確認の業務を関連付けさせることができず、すっかり忘れてしまったのです

何度かそれが続き、輪ゴムは役に立たなくなりました

 

そして、今度はメモにきちんと書くようにしたのですが、メモの確認をタイムリーにしていない時にはメモの内容を忘れてしまうようになりました

 

仕方がないので、どうしても忘れられない業務に関しては、手に小さく、その頭文字のポ、とか、か、とかボールペンで書くようにしました

 

しばらくはそれで大丈夫でしたが、次第にその「ポ」だの「か」が何を示すのか思い出せなくなりました

だから今は

「14時ポータブルXP連絡」

「15時山田さんカンファレンス中会議室」

というようにポケットにはいるバインダーに予定を書いて、ひとつの業務が終わるごとにそのバインダーで確認する、ということをしています

 

今はもう、聞いただけでは覚えられない、聞いても絶対忘れる、と思い知っているので、そうならないようにとても気を付けていますから、トラブルや業務上差し支える失敗をすることはありません

でも、自分でないと思っているだけで、若い同僚たちにかなりフォローされているのかもしれません

 

今は病棟業務から基本的には外れているので、三交代をしていません

離れてみると、よくあんなことやってたなぁと思っています

深夜明けはその日一日だるくて眠くて何もできなかったし、準夜明け休日後の日勤も疲れがとれてませんでした

 

もう病棟勤務に戻れないなぁと思っています

三交代がかなり身体的に負担になるとわかっていることと、とにかく記憶力の低下で、インシデントを通り越して、医療事故をおこしてしまうかもしれないからです

病棟に配置転換になれば退職します、ということは看護部には伝えてあります

 

自分がこんなだから、同年代でICUとか救急でバリバリ働いている看護師って本当にすごいなぁと思います

同年代で手術室とかもスゴイです

私はあの機械類、絶対覚えられないもの

 

そのぶん、退院調整とか、ソーシャルワーク的なこと、クレーム対応などはうまくなったなぁと思います

 

バレリーナが若い頃は足もあがり、ジャンプも高く飛んでいたけれども、年をとってその美しさや身体機能を失うかわりにもっと大切な情緒性を獲得する、というのと同じですかね

どの世界にもあるのかも

 

 

 

 今欲しいのが遠近両用眼鏡でして

いえ、暗い場所で細い血管に点滴する時にだけ使っているのですよ

100均で買ったものをポケットに入れておいて・・・

でも、無意識でモノを目から遠く離して見ているときとかあるんだろうな、と思うと、必要かな、と・・・

 

福井県鯖江市の日本に誇る眼鏡メーカー

ちょっといいの買っちゃおうかなぁ

 

 

 

 

 

 

 

 

リーダーシップ 上司の資質

             

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昨年、上司が新しく変わりました

 

優しく、明るく、すっとぼけてはいるけれども、愛されキャラの人です

私は、個人的には好きでした

 

ただ、その人の下で働いた経験のある看護師からはあまり評判は良くなく、

「とにかく仕事をしない」

「仕事と関係のない雑用を色々なところから引き受けて来て、仕事もしないでそればかりしている」

「態度の悪い看護師のことを注意することがない」

などなど、言われていました

 

けれども、自分の上司となった時に感じたのは、働きやすさ、です

その方はフレンドリーな性格なので、何でも言い易い

現場の意見をよく聞く

こだわりや先入観がない人なので、業務改革もやり易い

 

けれども、数か月経過した後に、

あれ?この人、大丈夫かな?

と思うようになりました

 

「フレンドリーな性格で何でも言い易い」

は、どこの部署からでも、誰からでも言い易いため、いろんなことを言われて問題や仕事を抱えてきます

院内のラウンドに行ったら、あちこちで雑談を繰り広げ、戻ってきません

 

「現場の意見をよく聞く」

あちこちから意見を聞きすぎて、その選択ができません

この人の意見がいい、と思うと、それを下に下ろします

『この方法で次からやってみたいから、予定を組んでほしい』

と言われると、その案に沿って、従来とは違う計画表を出しますが、数時間かかってそれを作成した数日後には

『やぱり、それじゃダメだって言われたから、従来通りにしてくれる?ごめんね、私はそれでいいと思うんだけど、ダメって言われて・・・』

ということが続く続く・・・

 

さすがに、何か仕事を下ろされた時には、

「これは、委員会で承認されましたか?」

「関係者の了承は得ていますか?」

と確認するようになりましたが、

「〇〇さんなら、いつもその方法でしたいって言ってたから大丈夫!」

「去年、その話はでてたから大丈夫」

と言うので書類の作成や、他部署への調整をしたら、その後で

『やぱり、それじゃダメだって言われたから、従来通りにしてくれる?ごめんね、私はそれでいいと思うんだけど、ダメって言われて・・・』

もう、テンプレです

 

いい人、フレンドリーな人、もう、上司、リーダーとしてはコレ、不要なんじゃないか、ないほうがいいんじゃないか、と思うようになりました

いい人=誰にでもいい人

誰かに我慢させたり嫌な思いをさせても業務上やらなくてはいけないことが出来ない

という図式になってしまいます

 

さて、リーダーシップとは

「チームをまとめてみんなを引っ張る能力」
「チーム内で率先して行動する能力」
「チーム内の意見をまとめ、的確な判断・指示を下す能力」
「経験豊富で人格があり、部下の模範となるように示す能力」
「メンバーの業務を調整し、個々の能力を最大限に発揮させる能力」

などググると出てきます

こんな人、なかなかいません

少なくとも私は、すべてを満たす人にお目にかかったことがありません


「リーダーシップ」は才能の一つであり、限られた人のみに備わっている能力である、というのは間違いである

という考えもあるようですが、Wikiには

リーダーの資質や人格的特徴は古来から関心の焦点となってきたが、リーダーが先天的に持つ資質や才能は、リーダーシップの質(英: leadership qualities)に影響する。
心理学におけるリーダーシップの研究は「特性アプローチ」、すなわち優秀な統率者は一般人と比べて優秀な資質を有しているという前提に立ったアプローチである。

とあります

 

リーダー=上司となるには、向き不向きがある、ということです

 

師長やそのまた上の役職につく人は、自分にその資質があるかどうか自問してから受けてもらえないかなぁと思ってしまいます

 

ドラッカー
 
 「リーダーたることの第一の要件は、リーダーシップを仕事と見ることである」

 

良い言葉です

 

ちなみに私は、師長職ではなく、もっと下の下の役職ですが、自分はリーダーには向いてないと思っています

 

先ほど挙げたリーダーの資質とは別に

「打たれ弱い」

「選択をした後で、それで良かったのか悩む」

「人に注意した後に、その言い方で本当に良かったのか、注意するべきだったのか、自分の言い方のせいで必要以上の嫌な思いをさせたのではないか」

という性格のせいで、くよくよと考えて長時間凹み、リーダーとなることで多分QOLが著しく低くなることが考えられるからです

 

自分ができないのに、人にとやかく言うんじゃない、という声が聞こえてきそうです

 

 

 

 

 

 

 

クレーム対応 担当看護師の交代を希望されたら

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先日、クレーム対応の研修会が院内でありました

外部講師の方が来ていたので、資料や映像が用意されていて、わかりやすくて聞きやすい研修でした

 

その中に出された、これは事実を基にした事例です、と断り書きがあった事例なのですが、あれ?これでいいの?と思うものがありました

 

それは

「患者さんから担当の看護師を変えてほしい、と、第三者の自分に依頼があった場合」

というものです

 

場面設定としては、担当でない看護師がその日の夜勤で、ある患者に対応したときに、

「自分の担当の看護師は愛想もないし、何か言っても上から目線で否定する。

自分の辛さを解ろうとしなくて嫌になる。担当を変えてほしい」

と言ってきた、というものです

 

再現ドラマがあって、1つの例として、その患者さんが、

「夜眠れなくて困る、睡眠薬でも出してもらえないか」

と担当看護師に言うと、

担当看護師は

「〇〇さんは昼間も寝ているのですから夜寝られなくてあたりまえです

昼間は起きているようにしてください」

とニコリともしないで患者さんに告げる、というものです

 

確かに愛想も全くなく、一方的な説明でした

 

それに対して、それを聞いた看護師の取った方法は、師長に相談すると告げ口だと思われるので、少し年上の先輩看護師に相談し、その看護師さんが、

「この問題は、その看護師一人の問題じゃないから、これからは病棟の看護師全員でその患者さんに関わるようにしましょう、病棟のみんなにそう伝えるわ!」

 

という解決法に至りました

 

え?

おかしくない?

 

患者さんが、「担当看護師だけしか関わって来ない」

とか

「担当看護師以外の看護師に何を質問しても答えられない」

というようなクレームなら、その解決法で良いと思うのですが、問題にしているのは、看護師の接遇であり、精神的看護ではないの?と思ってしまいました

 

その看護師の愛想のなさが患者さんを不愉快にさせているなら、その態度は改めねばなりません

そのためには、その本人の態度で患者さんが不愉快な思いをすることがあるのだ、と、本人に伝える必要があります

本人は「きちんと処置や看護ができれば、必要以上に愛想をふりまく必要はない」と思っているかもしれません

 

必要以上、というラインは人によって違うものですし、求める側と行う側のラインが同じとは限りません

 

元々愛想の良い人ばかりが看護師になったわけではありません

それはよくわかるのです

 

でも、患者さんやそのご家族が、そうでなくても忙しそうにバタバタしている看護師に、「看護師さん」と呼び掛けて、「はい」と答えるときに笑顔かどうか、というのって、全然受ける印象が違うと思うのです

 

先ほどの事例では、ニコリともしない対応が不愉快だ、というクレームがあったのですから、それについては謝らなくてはいけないのだと思います

 

「笑顔で対応するのが苦手で、気をつけてはいますけれど、なかなかできないんです、すみません」

と、一言伝えるだけでも、患者さんの気持ちはかなり変わると思います

また、師長に言うと告げ口になる、と考えて先輩に相談していますが、その後は先輩ナースが師長に報告しなくてはならず、なぜなら、師長はその看護師がその後はうまく対応ができているか確認し、フォローしていくのも仕事のひとつだからです

 

場合によっては、師長が、「教育が行き届かずにすみません、これからも気を付けていきます」と患者さんに伝えれば、なお患者さんとしては不満の落としどころが出来る可能性があります

 

私の病院でも、「愛想の悪い看護師」のクレームはしばしば入ります

看護師のトップの方々から

「接遇には気を付けましょう、笑顔を大切にしましょう」

という訓示があったり、各部署に啓発ポスターが貼らたりします

 

「愛想の悪い看護師」なんて、自分で宣伝しているくらい誰が見たってわかることなんだから、直接トップの方々が注意すればいいんじゃないの?

と思いますが、今の時代、すぐにパワハラ騒ぎになるので、なかなかできないって言ってます

 

パワハラ騒ぎより、クレーム騒ぎのほうが、現場としてはずーっと大変なんですけど・・・と私は思うのです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

看護師の肥満は許されない?

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私の勤める病院の糖尿病専門医は5人ともぽっちゃりです

白衣なんかピチピチです

 

糖尿病の指導で、かなり瘦せ型体系の患者さんに対して

「数値がいまひとつだから、後2キロは減らすように食事を減らした方が良い」

とおっしゃったりします

 

患者さん方は

「あの人に痩せろと言われたくない」

とか

「好きに食べてる人に食事を減らす苦労がわかるのか」

とぼやいています

 

医師には遠慮があるので患者さん方は面と向かっては言いませんが

看護師に対してはかなり好きに言ってます

若い看護師には言い易いということもあるのでしょう

 

それこそ、

「痩せるのはあんたのほうじゃないの」

とか

「また太って、どうしたの」

なんて言う人もいます

 

看護師を含め、接客を仕事とするには、ある程度ふくよかなほうが、安心感があるというか、おおらかというか、人の好さそうな雰囲気があるので、良いなぁと個人的には思ったりします

 

けれども、やはり栄養指導や肥満は成人病のリスクがある、という教育を患者さんにしなくてはいけない立場にある人は、太ってはだめだと思うのです

看護師に既存の白衣、XLが入らずに特注、という人は各病棟に1人いるかいないか、ぐらいだと思いますが、メタボな人はけっこういるかも、とかんじます

 

厚生労働省の平成27年「国民健康・栄養調査」によると、肥満者(BMI≧25 kg/m2)の割合は男性29.5%、女性19.2%ですから、だいたい看護師も同じ割合かもしれません

 

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看護師が心身ともにハードワークで、ストレスの高い職種であることは有名です

それに関連して肥満を考えると

 

・手っ取り早く「美味しいものを食べる」ということでストレスを発散する

・お給料をそこそこはもらっているので、通販やスイーツに目がいって、過食してしまう

・夜勤で眠気防止のためにお菓子を食べる

・夜勤では複数で仕事をするために、お菓子を持って来てコミュニケーションを図る

 

などが直接の肥満の原因でしょうか

 

あとは、ストレスや緊張状態が続いたり、夜勤などでじゅうぶんな睡眠が取れない、または眠る時間がまちまちになると、自律神経のバランスが崩れてくると言われいて、交感神経優位の状態が続きエネルギーを蓄積するそうです


そのうえ睡眠時間が短い人は、代謝が悪く太りやすいと言われています。

 

あと、思うのは、看護師さんって美意識が低いというか、OLさんとかに比べて、髪やメイクに関心が薄いように思います

普通の会社勤めなら、たいてい小奇麗にしているものですが、看護師は清潔感さえあれば良い、化粧は最低限で良い、どうせ白衣に着替えるのだから服もそんなに気にしない、という人がいます

 

でも、経済的には恵まれているので、ヴィトンのバッグやUGGのブーツは履いているけど、スエットに近い服で通勤、40歳代、50歳代になってもノーメークという人も珍しくありません

太っていても美意識だけは保つことが望ましいと思います

 

話がそれましたが、看護師の肥満、許されるか許されないか?

「肥満は万病の基」という現代の医学の考えでは、許されない、と思います

自分たちは看護、医療のプロなのですから!

 

世界で肥満者は21億人とも言われていますから、肥満に関する研究はいろいろとされいているようでです

 

肝臓内トリグリセリドで良い肥満と悪い肥満を区別できる。悪い肥満の人は、肝臓も筋肉も糖や脂肪の代謝レベルでインシュリンに抵抗性が顕著だが、良い肥満の人は太っていても代謝にほとんど変化がない

「Metabolically normal obese people are protected from adverse effects following weight gain(肥満でも代謝が正常な人は体重増加による悪影響から守られている)」2015.1.2号Journal of Clinical Investigation掲載論文)

 

だそうで、肥満でも問題がないタイプもあるとのことですね

 

「私の肥満は良い肥満だけど、あなたの肥満は悪い肥満だから痩せなさい」

と患者さんにいうのは、今はまだ通じないように思いますので、やっぱり気をつけねばなりませんね!

 

 

「看護学生入れ墨裁判」を考える

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看護専門学校で入れ墨を理由に休学処分になったのは不当だとして、
20代の女性が学校を運営する医療法人に約540万円の損害賠償を求め、東京地裁に提訴した。
医療法人側は争う姿勢を示した。

 

背中などに入れ墨があることを教員に告げたところ、6月下旬から1年間の休学処分とされた。
処分の通知には、入れ墨を消せば、復学を認めると書かれていたという。女性側は、

「入れ墨を消すには200万円かかり、子育てをしながら費用を捻出するのは極めて困難。 事実上の退学処分だ」と主張。

入学資格に「入れ墨がないこと」との規定はなく処分は不当だと訴えた。

 

朝日新聞デジタル 2/7(火) 配信

 

 

うーーーーん

入学資格に入れ墨がないこととの規定はなく・・・というところが弱いのではないかと思いました

 

この提訴の理由として、

若い人の間でタトゥーはファッションとして認知されており、外国人看護師を受け入れている日本で、日本人にのみ入れ墨によって看護師への道が閉ざされる、というのは不当である、

くらいなら、今の社会的通念が争点になって、それはそれで興味がある事案ではあります

 

入学資格に規定はなく、だと、

多分、鼻ピアスや眉毛そり落とし、スキンヘッドなども入学資格の規定にないと思うので

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こんな看護師とか

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こんな看護師とか

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看護学校に入学してから入信して、宗教上の理由でブルカを着せろという学生とか出てきそう

 

入学資格の規定にないから認めろ、というのは無理があるような気がします

 

日本ではまだ、入れ墨=カタギでないイメージがつきまといます

 

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こんな手の看護師さんに点滴されて、それが失敗したら、

「ちゃんとした人呼んできて」

と言いたくもなるでしょう

 

背中の見えない小さなタトゥーならいいとすれば、じゃあ肩はダメなのか、腕はどうだ、足はどうだ、あのタトゥーが良くて、これがダメな理由は何だ、とモメる原因になります

このような裁判がおこるくらいなのですから、ダメはダメときちんと決めてしまった方が分かりやすいです

 

入れ墨に関しては、社会通念上の判断、ケースバイケースということで、その提訴された看護学校が入れ墨はダメだと判断すれば、ダメだということでいいのだと考えます

多分、学校によっては大丈夫なところもあるでしょう

けれども、消すのに200万円かかるというのは、高須クリニックのHPで見てみますと、ハガキ大で60万円、と書いてありますから、かなり広範囲の入れ墨のようです

 

例えば実習で入浴介助をすると、汗とお湯で介助着が濡れて入れ墨が透けることも十分にありえますから、看護学校で臨床実習をする場合は個人の問題では済まなくなります

 

看護師さんの入れ墨としては、大阪の事件が有名です

2015年、大阪市が入れ墨の有無を尋ねた調査への回答を拒んで戒告処分を受けた市立病院の看護師さんがいました

その看護師さんが処分取り消しなどを求めた訴訟です

 

一審・大阪地裁判決は、この調査について「市の個人情報保護条例に違反する」として、処分を取り消した。二審判決は、入れ墨を市民の目に触れさせないため、入れ墨がある職員を把握するという調査目的は正当だと判断。最高裁も上告を退けた。朝日新聞デジタル2016年11月11日

 

ことの発端は、児童福祉施設職員が入れ墨を子どもに見せたことで、この問題を受け、職員に記名式の調査を大阪市が実施したものです

 

正直、入れ墨なんかより、接遇のほうがずっと大切だと思っているので、入れ墨をしている看護師にきちんと接遇を指導し習得させられる病院や施設では、入れ墨を問題にする必要はないと思います

スキンヘッドでも鼻ピでも同じで、接遇さえしっかりしていれば、患者さんは、人間としてその看護師を受け入れてくれるのではないでしょうか

 

でも、清楚で清潔感溢れる看護師とでは、初対面からかなりの差がつきますから、受け入れられる努力は必要だと思います

 

それにしても、ネットで検索すれば、

「入れ墨がありますが、看護師になれますか?」

「入れ墨がありますが、看護学校に入れますか?」

看護学校に入りますが、卒業まで入れ墨がバレずにすむでしょうか」

というような質問がたくさんあって驚きました

社会人を経験してから入学する人が増えている影響かもしれません

 

看護学生の提訴については、結果を注目していきたいと思います

 

私としては、看護学校時代に、高齢の元カタギでない患者さんの清拭をして、昔は美しかったであろう背中の般若と牡丹の花が、皮膚のしわとたるみで、原型をとどめていない模様になってしまったのを見て、花一輪のタトゥーでも絶対にしない、シワシワで粉をふくような花を体に抱えるのは絶対にいや、と思ったのを覚えています